この間どうも

来日してからもう47年経った。今頃この国の習慣や文化を幾分覚えたつもりだ。しかし、「この間どうも」と言う頻繁に聞く慣用句になれるまで多分20年以上かかった。
何の話かと言えば、少々説明が必要かもしれない。ドイツ出身の私にとって人から物を頂いたり、お世話になったりすると、無論頂いたや世話になった場ではお礼を言う。そこで対人行動終了する。
所が、日本では例えば私は職場から最寄の駅まで家族をお迎えに行くとしたら、丁度治療が終わった患者を駅まで車に乗せてしまうことがある。その方は駅で降りてお礼を言い、こちらは「どういたしまして」類の言葉を返す。そこまでは「普通」でしょう。
しかし、上記の方を数か月後偶然どこかでばったりと合い、あるいは再度来院した際、その方がほぼ確実に「この間どうも」を挨拶代わりに言う。その意味全く分からい私は「えっ、この間(?)私は何をしたでしょうか」を聞き返すしかない。何しろ、私の頭の中で「この間」で言われたお礼で既に一件落着したものだが、日本人ならその出来事は納豆のようにいつまで糸を引いているから、その件は終わっていない。
私にとって些細な事なんでも記憶し、「この間どうも」で繋ぎとめる習慣を身に着けるまで数十年掛かってしまった。因みに、英語の "excuse me" も幾分似ている:「済みません」→ 言って見れば「この件はまだ終わっていない(済んでいない)」事を表現し、当事者再度会う時又話題になるかもしれません。
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